禁じられた遊び重連撮影編
2004.03.05 UL 「重連」? 何のこと? 蒸気機関車じゃあるまいし? 2006.10.30 ED
 重連撮影? 「重連」って何?・・ 実はあのSLの重連をヒントに、、写真機の二重連を??
 事の起こりは・・
  VPKと言うベスト判の写真機が、ご来森になった事がきっかけです! 往年の名機とはいうものの、これに使えるフイルムは、もう発売
  していないと言う、、 と、なると、写真が撮れない? どんなに名機であっても 撮れないんじゃ、ご利益が半減、そりゃ困る・・
  どうしよう?ベスト判より幅広のブローニーフィルムなら入手可OKだから暗室でフイルムを裏紙ごとカットして、スプールに巻き込めば
  なんとかなるというのでが・・
  同じ様にフィルムがない 4x4判の二眼レフは フィルムの巾がベスト判と同じですが熱心なマニアはブローニー判をカットし巻き換えて
  使うと聞く・・ うーんそれはグッドアイディアー、、 でもよそ様には出来ても ブキッチョな筆者には、どだい無理な話だよ!
  写真機仲間の情報では、モノクロフィルムならクロアチア製の物が、まだ手に入ると聞いた、でもー!? なんか方法がないかなー?
  考え込んで数日!
 
ポット!!閃いたのが「SLの重連の図式」! これこれ、これなら行ける・・ そこは森の工作屋、早速試作、実験!うっんいけるで!
  こうして出来上がったのがここでご紹介する 
「重連撮影」!法です。
 「禁じられた遊び」ではベースボデーによそのレンズをマウント!味見をしましたが・・勢い余って 写真機ごとマウントしてしまった?

 重連候補のベスト判、写真機達をご紹介します!
 :VPK(ベストコダックポケット) :ピコレット :パーレット・・ ベスト判ポケットのご三家です、、
   
デジタル機全盛の今・・ 今から6090年も昔の、なんともマイナーな 写真機達、特にVPKは
     
フィルム屋コダック新システム同時発売の「ロール巻きフィルム」を世界で最初に使った機種です!
       
このマイナー機種の復活、単玉レンズの味見!が目的だったが、これが「重連撮影」の発端になった!

  百聞は一見にしかずとか、まずはお姿をご覧下さい、VPKとピコレット、それにパーレット・・ 可愛いでしょ!
    どれも 蛇腹を使ったベスト判機です・・
 VPKは元祖!今から90年も昔、ロールフィルムを最初に使った機種です! 
      ベスト・ポケットと言う通り、とてもちっちゃな奴等! 蛇腹を畳むと、それこそ・・ ベストのポケット入るくらい小さいのです!
 写真は1914〜40年代の人気、ベスト判の御三家
    
アメリカンの VPK 二匹目のドジョウ狙いはドイツの ピコレット 後追い日本の、六櫻社 パーレットよく似ていますね!
右向け!ベスト判トリオ 左から
VPK(ベス単)
 ベストポケット判の元祖
ピコレット
 二匹目のドジョウ狙い?
パーレット
 完成型か、パールの前身!
左向け!ベスト判トリオ 左から
VPK(ベス単)
 イーストマンコダック社製
ピコレット
 コンテッサ・ネッテル社
パーレット
 ロクオーシャ(六櫻社)製
VPK(ベス単)
元祖VPK一番安い単玉レンズ
付きは日本ではベス単と
呼ばれて大人気
レンズシェードを外すと
独特のソフトフォーカス調

ベス単のフード外しと云った!
ピコレット
人気機種はテッサー付きの
高級機が!もてはやされた

逆に単玉レンズ付きは珍しい!
かも知れない?・・
写りは仰天物!抜群です!
パーレット
先発2者を追って絶好調?
そのせいか仕上げも使い勝手も
すこぶる良い!

消えた旧コニカの前進六櫻社
製、コニカ復活しないかなー!
特技です!
蛇腹を畳むと・・
ほらこんなにペッタンコ

ベストのポケットに入るって!
本当なんだ・・

しかし見事にそっくりさん!

 ”VPKとは”ベスト・ポケット・コダックの略で、ベストのポケットにも入る小型!を売りに コダックが販売した最初のベスト判機!
  初期の機体には「単玉」(メニスカスレンズ)が装着されていた、日本ではベスト判と単玉がくっ付いて”ベス単”と呼ばれあの有名な
 
”ベス単のフード外し” とともに大正〜昭和初期のアマチュア写真家にもてはやされ、安価な事も手伝って一世を風靡したという・・ 
 ”ベス単のフード外し” とは本来はフード?(シェード)で制限し切捨てているレンズの収差の大きい領域を故意にフードを外して撮影
  する? この日本独特の ベス単のソフトフォーカス技法? と呼ばれて大流行して、一世を風靡したと言われる、
  他の方法では得られない独特の写りは素晴しくカラー全盛時代の現在でも ”当時の単玉レンズ” を使って写真するプロもおられると
  聞く 、時は大正から昭和初期の時代・・
  すでに歴史のかなたへ消えていったというものの、この「
ベス単のフード外し」に異常な興味を持つ事になった!・・
 実は筆者・・ この”ベス単のフード外しを、なんとかして、デジタル撮影で再現”してみたかった!
 ”ピコレットとは” VPKのヒットを追ってドイツのコンテッサ・ネッテル社から発売され、ほとんど VPKのコピー、最強のライバル
  ヨーロッパのVPKを駆逐したという?
  本機のレンズは単玉だが、一部の高級機は:ツアイスイコンの“テッサー”レンズを搭載している。
 "パーレットとは”前の2機種を追って日本の六櫻社(後のコニカ)が発売したベスト判機、形は前の2機に非常に似ている、が最後発
  だけあって随所に改良の後が見られ完成された姿に、後期の一部機種には ”ヘキサー” レンズが搭載されていた
、後のパールの前身!

 ところで、使用するフィルム・・ 127タイプ 「ベスト判」はもう販売されてません!
      
となれば、このままで、オリジナル撮影は出来ません! なんか良い方法がないかなー?
  何とか撮影したくて、あれこれと思案の末・・ 考えついた方法が! これ!重連撮影法なのです。
             撮れる?・・ 写りはっ? なかなか!侮れませんよ! 試写は でご覧いただけます!
先に試写見たいとご所望の向きはこちら VPK&パーレット試写のページ 究極のベス単のフード外しもあります。
森への到着が後になったピコレットへはここからジャンプを!
それぞれの機種別の詳細と、個別試写は こちらの :VPK (ベス単) : ピコレットパーレット のページでご覧下さい。

 お待たせしました!”重連撮影”です、百聞は一見にしかず・・
                パーレット&VPKと EOSが重連したお姿をご覧ください!
 一目瞭然ですね! 難しいことではありません・・でしょう! 
      よくあるレンズだけの移植では・・ ありきたりで、面白味がないので、せっかくの蛇腹を生かして? 
              奇抜な妙案?これならデジタル撮影でも、銀塩撮影でも、どっちも可能ですね・・ こりゃいいや!
今回は「フロントボデー」に「VPKやピコレット:パーレット」を、「マザーボデー」はデジタル一眼レフ機Canon EOS-Digital D60ですが
マザーボデーには、フォーサーズ機を含む、ほとんどのデジタル機
銀塩一眼レフ機を含む その他の機種との組み合わせでも、同じ方法で重連撮影が可能です。

 お目当て機の背面に”重連カップラーを取り付けて”マザーボデーと合体” ”重連”実現です!
なんとも不細工なこんなお姿?・・ でもこれで案外ホールディングは良いのですよ!

こちらはVPK+EOS! 案外すっきりしたお姿! こっちはパーレット+EOS あまりスマートじゃないね!
ごらんの通り”重連撮影”とは・・ 元祖”覗き撮り”!・・ れっきとしたデジタル撮り!ですよ!


 具体的な工作方法を・・  パーレットまたはVPK+EOSの場合! (ピコレットでも同じです)
      話は簡単です ”お目当て機” の背面に覗き穴を設けて、この穴からマザーボデー機で覗き込んで・・ 撮影しただけです?
      こうすると・・文字通り蛇腹がベロース機構のように使えてマクロ域までカバーしてくれるので本体だけで仕様外のマクロ領域
      のレンズのお味まで・・味わえちゃう! マザー機がデジタル機ならデジタル撮影! 銀塩機なら銀塩撮影!出来ちゃいます!
※注意 フランジバックが長い機種をマザーボデーに使うと、無限遠が出せない場合があります・・ 必ずバラックで確認してから工作
      を始めて下さい!
      ここで使った、Canon-EOSのフランジバックは44mmですが、、出来れば同等か、もっと短い機種が望ましいです!
      銀塩機ならともかく、デジタル機となるとフランジバックが短い機種が少ないですね、その点で最近のフォーサーズマウントは
      40mm前後で、画角が1/2と狭くなりますが、断然有利です、残念ながらまだ検証していないので、あくまで推測だけですが、

 VPK背面に調整穴があり・・ 好都合?

 うまい事に・・円い裏蓋があります、これが活用出来るので重連にはおあつらえ向きの構造
 この円い裏蓋”マンホール”との出会が”重連撮影法” 発想の原点となった!

 (パーレットの初期型も同じ構造で、工作法も同じです)
 初回のVPKの試作品です!
 マウントはM42です、
 おでこちゃんEOSへの連結は、M42接写リングで間隔を作った後に市販のM42-EOS用
 のマウントアダプターを使って、 装着する

 デジタル機以外に、 銀塩-EOSは もちろんの事 M42マウントアダプター が使える一眼機
 ならどれででも”重連撮影”が可能!
 パーレットの後期型の試作品・・ 背面カップラーの仕上がり!
 後期型は裏蓋が開閉式なので、ヒンジピンを外して取り外します裏蓋を外し、

 代わりにプラ板にM42ボデーキャップを貼りつけた、バックプレートを両面テープで
 貼付ければ”重連カップラー”の出来上がり!

 バックプレートを取り外してオリジナルに戻す事も簡単、
 また銀塩機を連結し、普通の35mm判の銀塩フィルムで重連撮影も可能!
パーレットとVPK背面カップラーの仕上がり
パーレットとVPKを並べてみた!最終的にM42レンズマウントが装着された形は同じ、

M42ボデーは更にM42-ROSやPentax等のアダプター経由で、あらゆる一眼レフボデー
へ連結して重連撮影が可能。
おまけながら、、オリジナルにないマクロ撮影が圧巻!

ピコレットも同じ手法で加工すみ、余談だが単玉レンズの写りははピコレットが抜群だった・!

 重連カップラーの工作方法と必要な材料
 A)VPK:ピコレット:初期型パーレットの場合 (背面に丸穴を持つ機種)
 背面の既存のメンテナンス用の丸穴を取り囲む形で、M42マウントキャップに直径約30mmの穴あけをして両面テープで粘着する
 M42マウントで直にM42マウント機か、例の様にM42接写リング経由M42-EOSマウントアダプターでEOS本体等と重連する。
 :必要な材料
 1)ペンタックスのマウントキャップ(M42用)と :接写リングNo1(10mm)を各1個 :2〜3mm厚のプラスチック板

 2)市販品のEOS-M42マウントアダプター1個 (マザーボデーにEOSを使用する場合)
 3) ペンタックスのマウントキャップに約30mmΦの覗き穴?をあける、30mmΦのリーマーを使うと開けやすい
  穴を開けたマウントキャップはVPK背面の「グラフィックフイルム」とある扉に当たるので、キャップ円周部分を巾5mmほど切り
  落とし、この部分の厚みを約2〜3mm削って段差をつける  (事前にVPKを重連した時が正立位置になる様にマークしておく)
 4) 3)で製作した穴を開けたマウントキャップを 背面にある円形のメンテナンス穴に同芯になる様に両面テープで粘着する。

 B)後期パーレットの場合 (背面が裏蓋になっている機種)
 背面の裏蓋をヒンジピン部分で取り外し背面のフォーカル面にM42マウントを取り付けたバックプレートを両面テープで粘着する
 M42マウントで直にM42マウント機か、例の様にM42接写リング経由M42-EOSマウントアダプターでEOS本体等と重連する。
 :必要な材料 :ペンタックスのマウントキャップ(M42用)と :接写リングNo1(10mm)を各1個 
 
:2〜3mm厚のプラスチック板8x5cm 程度 (バックプレート製作用)
 :市販品のEOS-M42マウントアダプター1個 (マザーボデーにEOSを使用する場合)
 1) ペンタックスのマウントキャップに、約30mmΦの覗き穴?をあける、30mmΦのテーパーリーマーを使うと開けやすい
 2) パーレットの裏蓋を外す(上下パネルを外してヒンジのピンを抜くと復元可能で外せる)
 3) プラ板を裏蓋の巾57mmに長さ、95mmに合わせてカットする、中央部に35mmφの覗き?穴を開ける
 4) 1)で製作した穴を開けたマウントキャップを 3)のバックプレートに粘着(重連した時が正立位置になる様にマークしておく)
 5) M42マウントキャップつきのバックプレートを露出したパーレットの「フォーカル面に」両面テープで粘着する

 C)VPKパーレット:ピコレット共通で
 ここまでの工作で A) B)共ボデーの背面にM42マウントカップラーが装着され、あとはリアボデーと連結すれば重連状態となる、
 1) リアボデーにM42マウント機(ペンタックスSP等)を使用する場合はこのまま連結・・ 重連撮影が可能となる!
 2) リヤボデーにCanon-EOS等を使用する場合はフロントボデーがEOSのペンタ部?に当たるので少し前へ出す必要がある
  
間隔をあけるためにM42接写リングNo1(10mm)をねじ込んで間隙を作る
  
EOSとの連結は別途 市販品のEOS-M42マウントアダプターを購入して連結すると連結、重連撮影が可能となる。
※ 背面のマウントはM42でなく、直接使用するベースボデー用、例えばEOSマウント等でも良いが、接触を避けるための治具
  ここではベースボデーとの間隔を作る為などに、汎用のマウントアダプターや接写リングが、安価で入手可能なM42マウント
  仕様が使い易いです。
 これで完成!! パーレットをM42-EOSマウントアダプターで Canon EOSへ装着するケースを例に。
 フロントボデーの向きは、縦位置にします(上記写真参照)、マザー機との干渉を避け蛇腹の伸縮でピント合せをする操作が楽です。
 ピントの無限遠は蛇腹を10mm前後繰り出した位置に来ます、さらに伸ばすとマクロ領域となり・・蛇腹機構本来のロック位置まで
 伸ばすと、、なんと約20cm弱まで寄れるのです!
 これはオリジナルにもなかった・・ 新世界!・・ マクロ仕様です! この方法特有の思わぬ 美味しい副産物ですね?

工作が終わったら早速試し撮り、パーレットとEOSを仮連結して、覗きデジ撮り? ピントが合わせ難いが、こりゃいける!
絞開放 f 8 ちょっと離れて? 絞開放 f 8 ちょっとソフト? f 8 オギザリスまだ寝てる? f 8 金属感はどうかな?
バラックでこれだけ撮れれば・・ 文句なしに合格! しっかり組み上げてブラ撮に行こう!・・

 どうでしょう?この方法なら127ベスト判フィルムがなくても、立派に撮影できますよ!
                  銀塩機はもちろん!デジタル機と重連すれば、昔レンズでデジタル撮影だって可能です!
但し中判の機体はレンズの焦点距離が80mm前後が普通なので、35mm判や、APSフォーマットのデジタル機では
画角が中望遠並に狭くなる事は避けられませんがが!
60〜90年?の時を越え、Digitalでも蘇った古写真機達・・ これは取っておきの奥の手!です?