Piccoletteのページ
2004.03.20 UL
ピコレット!パーレット・VPK・・ 80年あまりも昔の あのベスト判機?・・・どんな写りかな?

ピコレットって? 写真機・・ 聞いたことないですか?
 ピコレットは、大ヒットしたコダック社のVPKを追って1920年に、ドイツのコンテッサ・ネッテル社が、発売したベスト判の写真機です、
 VPKと同様にロールフィルム使い、暗箱は蛇腹式、小さく折り畳む為の矢来金具を持ち、、とても小さな可愛らしい写真機です・・
 まずはお姿からご紹介を・・
  蛇腹を使った、ベスト判・・ レトロな作り、とても可愛いちっちゃな奴 !・・蛇腹を畳むとそれこそベストのポケットに入るくらい小さいのです・・
  えっ!写りはって? それがとんでもない写りです! きっと仰天しますよ!
今回の主役! ピコレット! 左はVPK・・右はパーレット 並んで・・ベスト判トリオ! ほら・・たたむとペッタンコ!
1914〜40年代の人気の3機種 先発のベス単! VPK や後発の パーレット お互いによく似ているのがお分かりですね!
なお、これに使う 127ベスト判フィルムはもう販売していないんです、じゃ撮れない? でも・・ なんとか撮影できないものか?
まずは・・ 下の試写結果をご覧下さい・・ 実際に撮影できました!ご安心を!
実はこれデジタル撮影なんです・・ えっ? なんで写るの?・・ おっとうんちくは後回にしましょっ!
まっ!・・デジだ、銀塩だとあまりこだわらず・・ 本来の昔レンズのお味を・・楽しみましょう!
もちろん銀塩フィルムでの撮影もできます、但しフイルムはベスト判127でなく135判で撮ります・・ 次回にでも
とにかく・・急いで 最初の試写を試みました。(森の奥の手? 重連デジタル撮影です) <異機種の例ですが>
こだわりの銀塩撮影、それにあの究極のベス単フード外し? はこちらのお仲間機種ですが VPK&パーレット試写のページ へどうぞ!

試写コースは: 我が家の庭先・玄関先に始まって・・・県立吉田公園・大井川港・藤枝市の田中城下屋敷?近辺ですが、この写り!
撮影方法:例によって、今回もベースボデーに Canon EOS Digital D60 をピコレットの背後に「重連」させて使用しています。
撮影条件:特に断りのある画像以外は すべて 絞り f11 (開放!) 絞り優先AEにて マイナス1〜2段の露出補正にて撮影した。
なぜか庭の定番オギザリス  今年も咲いた!パンジー 今年も咲いた!パンジー 今年は遅い!れんぎょう
県立吉田公園 フラワーセット 県立吉田公園 メインロード ちょっと一休み木の香り!  水面と倒木
ここにも木の香があった! 浜名湖花博協賛コーナー おくての寒桜 ひっそりアリッサム
クリスマスローズ クリスマスローズ おなじみのボケ(1) おなじみのボケ(2)
  この描写、まさか80年!→
    も昔の写真機と思えます?


   
最近の高性能レンズ!と
    言われても・・ちょっと
    見分けがつかないなー?
ちょっと大井川港! ブリッジの後は 鉱石運搬船? 港の定番?
錨ともやい止め お暇な?大井川港 近所の白もくれん 近所の大島桜?
近所の大島桜? 早咲き桜は染井吉野 早くもれんげの花が つくしのファミリー
画像はカップラー製作中 →
定点での調整撮影ですが、
ベス単や パーレット等
他のベスト判に 比べて
明らかに
クリアーで、シャープな描写!
これが定番なんです! バス通りも定番 f16 ただのタイムテーブルですが?
<< なお試写結果はこちらでもご覧頂けます>>

それで・・試写の結果は?
こっこっ? これは!・・・ とても80年前の単玉レンズとは思えない、とてもクリヤーな描写に仰天しました! 
自分の予想、、完全に外れ! ただ・・ただびっくりです!・・・ 

明らかに・・VPKやパーレットを上まわる描写! こりゃ写りすぎだーと唖然とし!・・・ めっぽう良く写る!
びっくりするほど抜けの良いクリヤーな発色・・・ 信じられない! もっと泥臭い色かなーと想像していたのだが・・・
モノクロ時代の、単玉レンズ・・・ 意外に優れもの! しかし期待した、とろっとしたお味? こっちは外れ濃厚か?
残念なことに・・このピコレット・・あのベス単のフードはずしは、出来ません! 構造的にフードが外せないのです!
それにしてもこのピコレット!何十年ぶりの光なのか? 最後の撮影は何時、何処で何を?だったのでしょう?

この個体は 盟友Doraさんに頂いたもの、しかも貴重な初期型の単玉レンズ付き!この場を借りて厚く御礼申し上げます・・
Doraさん ありがとうございました。


おかげ様で待望の3大ベスト判モデル(ベス単・ピコレット・パーレット)全3機種5台が揃いました (~o~)

ところで、 これ・・フイルムないのに? どうやって撮ったの?
重連撮影”?で ・・撮影しました!

入手困難なベスト判フィルム・・・なくてもなんとか”撮影”する方法はないのだろうか・・
・?

<<思案の結果・・重連撮影法? にたどり着きました・・・ なんとデジタル撮影をも可能に>>
重連撮影こちらで詳しく説明いたします!

ピコレット・・・ その生い立ちなど! 素性を少し!

ピコレットは大ヒットのVPK”べス単”を追って1920年に発売しされたドイツのベスト判機で、製造メーカーはコンテッサ・ネッテル社
しかし同社は1926年にイカ社・エルネマン社・ゲルツ社らと合同してツアイスイコン社を創設した、本機は統合後も製造は継続された
がこのときから正面左上のロゴはツアイスイコンのロゴに変えられた。
この辺の事情やVPKの欠点の解消、後発の優位性の確保から、バリエーションはレンズとシャッターの組み合わせで数種類が発売されていたようですが、テッサーf4.5とコンパーシャッター付きのものが高級機に位置する物で、日本円にして当時180円と大変高価だったという、ネッターやノバの中級レンズ付のほか安い単玉付きの機種は約25円であった。
VPKでは安い機種が人気であったが、なぜかピコレットは高級機が人気であったという、しかしあまりにも高価だった為か日本ではあまり売れなかったそうだ・・・ <本機はなかなか見つからないという・・貴重な単玉付き!>
このピコレットにはコンテッサ・ネッテル社のロゴが入っていますから、統合前に製造されたものだと思われます、、外観はさすがに少し疲れているが、蛇腹に穴など不具合はない、矢来タスキなど機構部も問題なし、さびや汚れもなくまずまずの逸品! レンズに傷やカビ、シミはなく、汚れと埃はお掃除でOK・・・ 大事なレンズは
幸運にも本機のレンズは >単玉!アクロマチック メニスカス75mm F11、れっきとした単玉、! ピスター・アクロマチックメニスカス
という1群2枚の貼り合わせレンズを装備している。

!!そうです、あのベス単の単玉と同じタイプです、 森のテーマにはお誂えむき75mm f11・・・シャッターは1/25と1/50 1/75とB/T
さっそく 背面の扉を取りはすして・・・ 重連用のマウントカップラーを取りつけました。
主要なスペックは
発売: 1920年 コンテッサ・ネッテル社、後に統合によりツアイス・イコン社となる
使用フィルム: 127フィルム 8枚撮り
レンズ: ピスター・アクロマチック メニスカス 75mm f11(1群2枚の貼り合わせ)
シャッター: ACRO 1/25〜1/75秒、T、B
ファインダー: 前板部反射式ファインダー、針金フレーム式ファインダー
フィルム送り: 背面赤窓式
大きさ: 横幅63×高さ120×奥行き30(撮影時86)ミリ
型式: ベスト判フォールディングカメラ
画面サイズ: 4×6.5センチ
焦点調節: 固定式


フィルム装填: 横蓋引き出し式
重さ: 280グラム

本文の通り、フィルムですが、残念ながらベスト判フイルムは現在は販売終了。  クロアチア製のモノクロ判は一部のルートで入手
可能の様だが割高、また120判から切り出すなど工夫が必要! 素人には対応不可能だが、今回の重連撮影?なら・・ 問題無し!

なんと80年あまりの時を越えて平成の世に蘇ったピコレット! これは思わぬお宝でした!