重連撮影
2004.03.05 UL ベスト判って・・フィルムの事? 「重連」?何のこと? 蒸気機関車じゃあるまいし? 2006.09.04 ED

「重連」とは重連撮影法?の事・・ ご披露の前に、
事の起こりは・・ VPKと言うベスト判の写真機が、ご来森になった事がきっかけです。
銘機とはいうものの、これに使えるフイルムは、もう発売されていないという・・ となると、肝心な写真が撮れない? どんなに銘機であっても写真が
撮れないんじゃ、意味がない、そりゃ困る・・
どうしよう? ベスト判より大き目のブローニーフィルムなら入手可能だから、暗室でフイルムを切り出して、スプールに巻き込めば・・ なんとかなる
というが?4x4判の二眼レフは フィルムの巾がベスト判と同じで、マニアは暗室でブローニー判を切って巻き換えて使うと聞く、が何とも難儀な事!
よそ様には出来ても 小生には無理な話だ・・
写真機仲間の情報で、モノクロフィルムならクロアチア製のが、まだ手に入ると聞いた、、 でもー、、なんか方法がないかなー?
と考え込んで!ポット!!閃いたのが
SLの重連の図式! これこれ、これなら行ける・・ そこは森の工作屋、早速試作&実験!これなら写せる!
出来上がりが..森の奥の手
重連撮影! と云うわけです(@^^)/~~~
お目当てのベスト判機達をご紹介します!
  VPKにピコレット、パーレットって・・ いたってマイナーな写真機?でもこれが! と、目的はこの機種の復活が目的なのです!
今は歴史のかなたの古写真機達ですよねー! まずは下の写真をご覧下さい、どれも 蛇腹を使ったベスト判機です。
ベスト・ポケットと言う通り、とてもちっちゃな可愛い奴! 蛇腹を畳むと、それこそ・・ ベストのポケット入るくらい小さい!
百聞は一見にしかずとか、まずはVPKとパーレット・・ そのお姿をご覧下さい・・  (ピコレットはこちらのページでどうぞ)
左2台はVPK 右はパーレット こちらはパーレット こっちはVPK(ベス単) 左2台はVPK 右はパーレット
 写真は1914〜40年代の人気、2機種 アメリカンの VPK と 六櫻社の パーレット こちら別室の ピコレット もよく似ていますね!
”VPKとは”ベスト・ポケット・コダック” の略で、ベストのポケットにも入る小型!を売りに コダックが販売したベスト判機!
初期の機体には、「単玉メニスカスレンズ」が装着されていた、日本ではベスト判と単玉がくっ付いて、”ベス単”と呼ばれ
あの有名な
”ベス単のフード外し” とともに大正〜昭和初期のアマチュア写真家にもてはやされたという・・
”ベス単のフード外し” は本来はフード?(シェード)で制限し、切捨てているレンズの収差の大きい領域を、故意にフード
を外して撮影する・・ この日本独特の ベス単のソフトフォーカス技法? は、大流行を見せ、一世を風靡したと言われる、
他の方法では得られない写りはカラー全盛時代の現在でも ”当時の単玉レンズ” を使って写真するプロもおられると聞く
実は管理人・・ すでに歴史のかなたへ消えていったこの
”ベス単のフード外しを、デジタルで撮影、再現”したかった!!
(写真のVPKの一部は最初に入手したVPKの複玉機で、ベス単機ではないが、試写は後に入手した、単玉機で実施)
”ピコレットとは” VPKのヒットを追ってドイツのコンテッサ・ネッテル社から発売された ベスト判機でほとんど VPKのコピー
最強のライバルEUのVPKを駆逐した?本機のレンズは単玉だが、一部高級機はツアイスイコンのテッサーを搭載している
"パーレットとは”前の2機種を追って日本の六櫻社(後のコニカ)が発売したベスト判機、形は前の2機に非常に似ている
しかし最後発だけあって随所に改良の後が見られ完成された姿に近い、一部機種は ”ヘキサー” レンズを搭載している

ところが、使用するフィルム・・127タイプ 「ベスト判」はもう販売されてません! オリジナル撮影は出来ません!
しかし・・ それでも何とか撮影したくて、考えついた方法が! これ!重連?撮影法なのです。
撮れる?・・ 写りはっ? なかなか!侮れませんよ! 試写は こちら でご覧いただけます!
先にあの究極の!ベス単のフード外し試写!を見たい? 向きはこちら VPK&パーレット試写のページ へジャンプを!
また機種別の詳細と試写は、 こちらの VPK (ベス単)・・・ ピコレット・・・  パーレット・・・ のページ・・・ でご覧下さい。

で”重連撮影”ですが、百聞は一見にしかず・・・ 下のパーレット&VPKと EOSが重連したお姿を見てください!
一目瞭然ですね! 難しいことではありません・・でしょう! よくあるレンズの移植では・・ありきたりで面白味がないので
蛇腹を生かした? 奇抜な妙案? これならデジタル撮影も、 銀塩撮影も、 どちらでも可能ですね!
なお今回モデルの「マザーボデー」は Canon EOS-Digital D60・・デジタル一眼レフ機ですが、銀塩機でも全く同等です。
もちろん「VPKとパーレット」が、「フロントボデー」に・・ 前後共に、他の機種の組み合わせでも、同じ方法で撮影可能です。

お目当て機の背面に”重連カップラーを取り付けて”マザーボデーと合体”・・ させると!”重連”が実現です・・
なんとも不細工なこんなお姿?・・・ でもこれで案外ホールディングは良いのですよ!
こちらはパーレット+EOS? なんとも不細工なお姿! こっちはVPK+EOS! あまりスマートじゃないね!
ごらんの通り! ”重連撮影”!とは・・ 元祖・・ ”覗き撮り”?・・ これでデジタル撮り!です・・
具体的な工作方法は?・・  パーレットまたはVPK+EOSの場合! (ピコレットでも同じです)
話は簡単です ”お目当て機” の背面に覗き穴を設けてこの穴からマザーボデー(一眼レフ)機で覗き込んで・・撮影しただけです?
こうすると・・文字通り蛇腹がベロース機構のように使えてマクロ域までカバーしてくれるので本体そのままでは仕様外のマクロ領域
のレンズのお味まで・・味わえちゃう! マザー機がデジタル機ならデジタル撮影! 銀塩機なら銀塩撮影! そんな事できんの!?
※:注意 フランジバックが長い機種をマザーボデーに使うと、無限遠が出せない場合があります・・必ずバラックで確認してから工作をして下さい!
       ここで使った、Canon-EOSのフランジバックは44mmですが、出来れば同等か、これ以下の機種が望ましいです!
       最近のフォーサーズマウントが40mm前後で、画角が1/2と狭くなりますが、有利かも知れません、まだ実験していないので推測ですが・・

背中のカップラーの仕上がり! 前回のVPKと比べると! 背中の調整穴は好都合? パーレットとVPKの仕上がり
 裏蓋を外して、代わりにプラ板に
M42ボデーキャップを貼るつけた、
バックプレートを両面テープで貼付
ければ”重連カップラー”
の出来上がり!
取り外してオリジナルに戻す事も
簡単、また銀塩機を連結し
普通の35mm判
銀塩フィルムで重連撮影も可能!
おでこちゃんEOSへの連結は、
M42接写リングで間隔を作った
後に市販のM42-EOS用の
マウントアダプターを使って、
装着する
 デジタル機以外に、 銀塩-EOS
 は もちろんの事 M42マウント
 アダプター が使える一眼機なら
どれででも”重連撮影”が可能!
VPKの背面です、うまい事に・・
円い裏蓋があります
これが活用出来るので
 重連にはおあつらえ向きの構造
この円い裏蓋”マンホール”
との出会が”重連撮影法”
発想の原点となった!

 (パーレットの初期型も同じ構造)
パーレットとVPKを並べてみた!
 最終的にM42レンズマウントが
 装着された形はおなじである、

 M42ボデーは勿論アダプター
 経由であらゆる一眼レフボデーへ
連結して重連撮影が可能。
 オリジナルにないマクロ撮影が
おまけながら圧巻!

重連カップラーの工作方法と必要な材料
A)VPKの場合 (ピコレットやパーレットでも背面に丸穴を持つ機種は同等です)
 背面のメンテナンス用の丸穴を取り囲む形で、M42マウントキャップに直径約30mmの穴あけをして、両面テープで粘着する
 このM42マウントでM42マウント機か・・例の様にM42接写リング経由M42-EOSマウントアダプターでEOS本体等と重連します。
 :必要な材料 :ペンタックスのマウントキャップ(M42用)と :接写リングNo1(10mm)を各1個 :2〜3mm厚のプラスチック板
 :市販品のEOS-M42マウントアダプター1個 (マザーボデーにEOSを使用する場合)
1) ペンタックスのマウントキャップに約30mmΦの覗き穴?をあける、30mmΦのリーマーを使うと開けやすい
  穴を開けたマウントキャップはVPK背面の「グラフィックフイルム」とある扉に当たるので、キャップ円周部分を巾5mmほど切り
  落とし、この部分の厚みを約2〜3mm削って段差をつける  (事前にVPKを重連した時が正立位置になる様にマークしておく)
2) 1)で製作した穴を開けたマウントキャップを 背面にある円形のメンテナンス穴に同芯になる様に両面テープで粘着する。
B)パーレットの場合 (普通の写真機の様に背面が扉になっている機種)
 背面の蓋をヒンジ部分で取り外し、背面のフォーカル面にレンズマウントを取り付けたバックプレートを両面テープで粘着する
 このM42マウントでM42マウント機か・・例の様にM42接写リング経由M42-EOSマウントアダプターでEOS本体等と重連します。
 :必要な材料 :ペンタックスのマウントキャップ(M42用)と :接写リングNo1(10mm)を各1個 
 
:2〜3mm厚のプラスチック板8x5cm 程度 (バックプレート製作用)
 :市販品のEOS-M42マウントアダプター1個 (マザーボデーにEOSを使用する場合)
1) ペンタックスのマウントキャップに約30mmΦの覗き穴?をあける、30mmΦのテーパーリーマーを使うと開けやすい
2) パーレットの裏蓋を外す(上下パネルを外してヒンジのピンを抜くと復元可能で外せる)
3) プラ板を裏蓋の巾57mmに長さ、95mmに合わせてカットする、中央部に35mmφの覗き?穴を開ける
4) 1)で製作した穴を開けたマウントキャップを 3)のバックプレートに粘着する (重連した時が正立位置になる様にマークしておく)
5) M42マウントキャップつきのバックプレートを露出したパーレットの「フォーカル面に」両面テープで粘着する
C)パーレット&VPK共通で
 ここまでの工作で A) B)共ボデーの背面にM42マウントカップラーが装着され、あとはリアボデーと連結すれば重連状態となる、
1) リアボデーにM42マウント機(ペンタックスSP等を使用する場合はこのまま連結・・重連撮影が可能となる!
2) リヤボデーにCanon-EOS等を使用する場合はフロントボデーがEOSのペンタ部?に当たるので少し前へ出す必要がある
  
間隔をあけるためにM42接写リングNo1(10mm)をねじ込んで間隙を作る
  
EOSとの連結は別途 市販品のEOS-M42マウントアダプターを購入して連結すると連結、重連撮影が可能となる。
※ 背面のマウントはM42でなく、直接使用するベースボデー用、例えばEOSマウント等でも良いが、接触を避けるための治具
  ここではベースボデーとの間隔を作る為などに、汎用のマウントアダプターや接写リングが、安価で入手可能なM42マウント
  仕様が使い易いです。
これで完成!! パーレットをM42-EOSマウントアダプターで Canon EOSへ装着するケースを紹介。
フロントボデーの向きは、縦位置にします(上記写真参照)、マザー機との干渉を避け蛇腹の伸縮でピント合せをする操作が楽です。
ピントの無限遠は蛇腹を10mm前後繰り出した位置に来ます、さらに伸ばすとマクロ領域となり・・蛇腹機構本来のロック位置まで
伸ばすと、、なんと約20cm弱まで寄れるのです!
これはオリジナルにはなかった・・新世界!・・マクロ仕様です!・・この方法特有の思わぬ・・美味しい副産物ですね?
工作が終わったら、早速ためし撮り、パーレットとEOSを仮連結して?覗きデジ撮り?ピントは合わせにくいが、いけるじゃん!
f 8 ちょっと接近 f 8 ちょっと接近 f 8 オギザリスまだ寝てる? f 8 金属感はどうかな?
バラックでこれだけ撮れれば・・ 文句なしに合格! しっかり組み上げて撮影に行こう!・・
この方法なら127ベスト判フィルムがなくても、立派に撮影できますよ!銀塩はもちろんなんとデジタル撮影まで可能です!
但しレンズの焦点距離が80mm前後と中判用のなので、35mm判やAPSフォーマットのデジタル機では、画角が望遠並に狭くなる事は避けられない!

60〜90年?の時を越え、Digitalでも蘇った古写真機達・・ これは取っておきの奥の手!です?